海の知識
千葉障害者セーリング協会
ディンギーは安全?
船全般に言えることですが、船体が傾いても元に戻ろうとする復元力というのがあります。中でもヨットはセンターボードが取り付けられていて安定しています。
万が一復元力が追いつかなくても、半分倒れるだけです(半沈)。また海に投げ出されてもライフジャケットの装着率が高いので溺れる事は稀です。
ディンギーが安全と言われるのは、ライフジャケットの着用率が高い為だと思われます。また千葉障害者セーリング協会では、海に出る時は必ずライフジャケットを着用しています。
障がい者でもできますか?
身体的障害を持っていても体を吊り下げる装置や沈しない船の構造をしていますので安心です。
千葉障害者セーリング協会で使用しているマーチン16は倒れない構造になっています。
※シートベルトなど体を固定する装置はありません。
活動拠点の稲毛ヨットハーバーはバリアフリーですので、車椅子の方も参加しています。
海の障害者マーク
「海の障害者マーク」は障がい者が乗船する小型船舶、バリアフリーの小型船舶及びこれらの船が係留できる海上施設などに表示します。
施設の玄関先やポンツーンに「海の障害者マーク」を掲示し、海のバリアフリー施設である事をより多くの人に知ってもらい、障がい者、高齢者などが気軽に利用できる海の施設であることをアピールして下さい。
クルーザーヨット
居住空間を持ったエンジンの付いているヨットをクルーザーヨットと呼びます。
エンジンや居住空間があるので、遠征したり雨風をしのいだりできます。
ディンギー
ディンギーとは基本的に風のみで動く帆船の事を言うようです。欧米においては大きさはあまり関係なく、大きなヨットもディンギーと呼ぶ事があるようです。
日本においては、主に数人で乗る比較的小型のヨットをディンギーと呼んでいます。
タック
タックと言った場合、その使われるシーンによっていくつかの意味があります。
タッキングする事をタックすると言う事もあります。
風を受ける側が変わる事をタックが変わると言う事もあります。
クリアアスターン
レースの際に特に重要になってくる船の位置関係を表す言葉です。
自艇に対して相手艇が、自分の船に重なる事なく後ろにいる事をクリアアスターンと言います。相手艇から見ると自艇はクリアアヘッドにいると言います。
後ろにいる船の方が速力が速く、前の船を抜かしたい場合。前の船が針路を譲るのではなく、後ろの船が針路を変えて抜かさなければなりません。
エキストラセイル
メインセイルやジブセイルの他に、補助的な形で使うセイル類をエクストラセイルと呼びます。
・スピンネイカー(スピン)
・ジェノア
・ジェネカー
などがあります。大型帆船などでは更にたくさんのエクストラセイルがあります。
初心者でもできますか?
誰でも最初は初心者です。ヨットはそんなに難しくないスポーツなので安心してご参加ください。
港が風上にあっても帰って来れます
ヨットは風上に向かってもある程度進めます。風の強さにもよりますが、だいたい45度程度までは進めます。
帰りたい場所が風上にあってもジグザグに進むことで帰る事ができます。
風がなくなったらどうなるのですか?
全くの無風ではヨットは進めません。しかしディンギーはパドルを装備する事が決められていますので、最悪の場合パドルで進む事ができます。またサポートしているクルーザーで曳く事も可能です。
タッキング
風上に向かって進んでいる時、風軸を超えるように方向を変える事をタッキングといいます。ヨットは風上に進みたいときはジグザグに進みます。
タッキングを開始する前は必要な速力を確保しておきます。タッキング中は惰性で進まなければならないからです。
タッキングは惰性で回転中に必ず風に向かってしまう時間があります。ここで速度はおちます。ですから出来るだけ早く舵を押してこの危険ゾーンを抜けましょう。
風軸を超えると帆は自動的に反対タックに移ります。新しいコースに乗ったら念のためセイルのトリムを行います。
帆の生み出す揚力
ヨットは風を帆に受けて進む乗り物です。しかし風で帆を押してもらうイメージではありません。
帆は風を受けると飛行機の翼のような形になります。すると飛行機の翼のように揚力が発生します。
この発生した揚力を力学的に前に進む力へ変換して進みます。
ランニングがアビームより遅くなるのは、後ろから風を受ける事で揚力が少なくなる事と、メインセイルとジブセイルが重なってジブセイルに十分に風が回らなくなる為です。
ヨットの帆をトリムする時は、帆が綺麗に翼の形になるように心がけるといいと思います。
ロープワーク
ロープの結び方をロープワークと言います。ロープの事をシートと呼ぶ事もあります。数多くの結び方がありますが、日常的に利用するのは以下の3〜5種類程度です。すぐに覚えられるので安心です。
・モヤイ結び(ボーラインノット)
・クラブヒッチ
・エイトノット
・クリートノット
・本結び(スクエアノット)
海にもある交通ルール
道路と同じく海の上にも交通ルールがあります。特にヨットでは航行に制限がある為ルールを守ります。
ヨットにおいては特に次の3つが重要です。
1.スターボード艇の優先
右側から風を受けて左側にブームを出している船がいたら、その針路を妨害するような針路を取ってはいけません。
2.風下艇の優先
風下から向かってくる船の針路を妨害するような針路を取ってはいけません。
3.クリアアスターン
前を進む速度の遅い船を追い越したい場合、自艇が針路を変えて追い越す必要があります。
しかし必ずこれを守らなければならないと言う認識ではなく、臨機応変に対応する事も必要になります。
例えばこちらがスターボードを主張しても、相手が初心者でタッキングで回避する事ができないと、結果どちらも針路を譲らずにぶつかってしまう事になります。
そのような事がないように、お互いに声を出してコミュニケーションを取りましょう。
また、機走している船は帆走している船を避ける義務があります。同様に操業中の漁船は全てに優先されます。
船酔いしますか?
普通の船よりも小型のヨットに乗るので、普段船酔いする方は船酔いする可能性はあります。しかし船酔いはなれると感じにくくなります。大事なのはあまり気にしない事と、事前に体調を整えておくことです。海や風の状態を見て船酔いしそうであれば、酔い止めの薬を飲んでおいたり、乗船を諦めたりするのも手です。風の穏やかな時は船の揺れも少ないので船酔いの可能性は減ります。
大潮・小潮
海には干満の差があります。月の引力によって潮が満ちたりひいたりします。稲毛沖ではそれほど影響を受ける現象ではありません。大潮とは干満の差が大きい時で満ち潮のときは海水面がいつもより上がります。小潮は干満の差が小さい時でそれほど海水面は上がりません。ディンギーはその日の最後に陸にあげますが、大潮で水面が上がっていると作業がやりやすくなります。
夏でも冬支度
ヨットは水に濡れて風を受けるスポーツです。水に濡れてもよい服装で乗りましょう。また水に濡れて風を受けると体力を奪われます。体温が下がるので暖かい格好が理想です。
沈(ちん)
ディンギーはとても軽い乗り物です。風の受け方を間違える、操船を誤る、または強風に耐えられなくなるほど傾くとパタンと倒れてしまいます。この状態を沈(ちん)または半沈といいます。またこの状態を長く続けているとマストが海中に沈んでしまい、ディンギーが逆さまになってしまいます。この状態を全沈(完沈)といいます。
千葉障害者セーリング協会で使用しているマーチン16はそもそも沈しない構造になっています。
ジャイブ
風下に向かって進んでいる時に風軸を超えるように船を曲げる場合、帆の開きを反対サイドに変更しなければなりません。この一連の作業をジャイブと言います。風の向きが意図せず変わったり、操船を誤って帆に裏風が入ったりすると、意図せず勝手にジャイブしてしまう事があります。これをワイルドジャイブといい、ブームに頭をぶつけて怪我をするなど非常に危険です。
方向と時計
船に乗っている人はみんな同じ方を向いているわけではありません。なので方向を言い表す時は時計をイメージして「2時の方向」などと言い表します。
単純にまっすぐ前を12時、右回りに30度あたりを1時、60度あたりを2時、右90度を3時と続き、左90度(270度)を9時、左60度(300度)を10時、左30度(330度)を11時と言います。
船の進む方向
船は風に向かってどの方向に進んでいるのか言葉で表します。
クローズ:風に向かって進んでいる状態。特に風いっぱいに切り上がっている時をクローズホールドといいます。
アビーム:風を横から受けて進んでいる状態。
ランニング:風を後ろから受けて進んでいる状態です。真後ろから受けて走っている時はデッドランニングといいます。
船はアビームで進む時が一番スピードが出ますが、傾きも大きくなります。
一般に、風上に向かっている時をリーチング、風下に向かっている時をクォーターと言う事もあります。
帆の開き
ヨットは帆の開き方が2種類あります。風を受けている方向により帆を右に出すか左に出すかが違うからです。
風を左側から受けている時は帆は船の右側に出します。これをポートタック(左舷開き)といいます。
反対に帆を左側に出す時を、スターボードタック(右舷開き)といいます。
真後ろから風を受けている時に、メインセイルとジブセイルの開きを逆にする事を観音開きといいます。
セイルの種類
ヨットは、セイルが1枚のもの2枚のものがあります。また補助的に使う帆(エキストラセイル)もあります。
一番大きな中心となる帆をメインセイルといいます。メインマストに張ります。
メインマストから前に伸ばしたステイ(ワイヤー)に張る帆をジブセイルと言います。
後ろから風を受けている時に速度を上げる目的で、スピンを張ることがあります。
また、ジブセイルよりも大きなジェネカーを使う時もあります。
スロットル効果
2枚張りのヨットは基本的にメインセイルとジブセイルで進みます。ジブセイルはそれ自身が進む力を出す他、風の流れをコントロールしてメインセイルに送ります。この時風の流れをうまくコントロールすると風が強くなり、メインセイルが生む力が強くなります。
これをスロットル効果といいます。
着艇、係留の仕方
ヨットはポンツーンから出発する時は風下に流されるように出ると出発しやすいです。
その為、係留する際や沖から帰ってきてポンツーンに停める場合はポンツーンの風下側に係留するようにします。
免許無しでヨットに乗れます
ヨットに免許は必要ありません。モーターボートなどのエンジンの付いた船を操縦するには免許が必要です。
これとは別に、稲毛ヨットハーバーではヨット教室を開いていて受講すると受講証をもらえます。稲毛ヨットハーバーでヨットに乗る場合、乗船者の誰かがこの受講証を持っている必要があります。
ヒール
風を受けて船が傾く事をヒールといいます。通常船は風下側に傾きます。ヒールしすぎる事をオーバーヒール、逆に傾く(風上側に傾く)事をアンヒールといいます。
シートを出す、引く
メインセイルを調整するロープなど、幾つかの種類のロープはシートと呼ばれます。特にメインセイルを操作するシートをメインシートと呼びます。メインシートを引くと帆は引き込まれて、メインシートを出すと帆は外に出ます。
クローズホールドで走っている時はシートをいっぱいに引いて帆を引き込みます。逆にランニングで走る時はシートを出して帆を外に出します。
ティラーを押す、引く
通常のディンギーは風上側に乗船します。タッキングしたりしてタック(風が吹いてくる方向)が変わると、乗船位置も逆サイドに移動します。
ティラーは、舵に取り付けられた棒で、その棒を延長する為の棒、ティラーエクステンションと繋がっています。
座っている位置が正しい位置に座っていれば、ティラーを押すと舵は風上側に向かうようになります。逆にティラーを引くと風下側に船は向かいます。
千葉障害者セーリング協会で使用しているマーチン16は船の真ん中に座り、ジョイスティックと言う棒で舵を切ります。タックに応じて乗艇位置を変える必要はありません。
ライフジャケットを着ける
海上で船に乗るにはライフジャケット(ライジャケ)を着用します。千葉障害者セーリング協会ではある程度ライフジャケットを用意していますので、ライフジャケットをお持ちでない方も安心してご利用ください。
ショップで自分のライフジャケットを買う事ももちろん可能です。
帆の種類(横帆、縦帆)
帆船には沢山のマストが付いていて、それぞれに帆が張られています。
大きく分類すると、船の進行方向に対して直角に張る四角い帆。これを横帆といいます。
また船の進行方向に対して平行に張る帆。これを縦帆といいます。
横帆は帆の面積も大きく速度が出せますが、風上航は少し苦手です。縦帆は帆面積が少ないのでスピードは犠牲になりますが、切り上がる性能が優れています。
主なヨットは縦帆船なので荷物運びなどには適していませんが、風に向かっても進めますしスポーツをするには丁度いい艤装です。
帆の事をセイルといいますが、スルと短縮して呼ぶ事もあります。
ウェアリング
何らかの理由でタッキングが困難であると判断した場合、変針するのに下手回し(ウェアリング)を行う事ができます。
ウェアリングは初心者でも出来る方向転換操船ですが、「必要海面面積が多く必要」「時間がかかる」などの理由で、特にレースでは行われません。
タッキングは風に向かって舵を切りますが、ウェアリングは行きたい方向とは逆に舵を切ります。これは風下に船首を落とす事でもあります。風下に落とし続けても舵を切っていると風軸を超えるのでジャイブします。風軸を越えたら更に回転を続けて本来行きたかった方位になるまで回します。方位が定まったらトリムして切り上がっていきます。
タッキングは少ない海面面積、短い距離で方向転換が出来る反面、最中必ず真正面から風を受け速度が落ちます。
ウェアリングは広い海面面積、ある程度の距離が必要ですが、風を正面から受ける事がなく操船の難易度はぐんと下がります。
しかしレースではもちろん、帰港中、近くに他の船が密集している、消波ブロックがあるなど海面に十分な面積が確保できない場合も数多くあります。通常はタッキングをマスターし、タッキングが出来ない状況においてウェアリングを利用するようにしましょう。
ブーム・ヤード
メインセイルを底辺で支えている支索の事をブームと呼びます。
ブームは細かい機能がいくつかありますが、ここでは省略します。
風が左から吹いてきている時はブームを右に出して風を受けます。これをポートタックと言います。
逆に風が右から吹いてきている時はブームは左側に出して風を受けます。これをスターボードタックと言います。
ブームは風の突然の変更、操船の未熟さなど様々な要因が重なって操船者の意図しないタイミングで今あるサイドから反対側のサイドに急激に動く事があります。これをワイルドジャイブといいます。
ワイルドジャイブのブームに当たると怪我をし兼ねません。また海中に投げ出される事もありますので、非常に危険です。
横帆船の帆を支えている帆桁はヤードと呼びます。
風の見方・トリムセイル
ヨットはただ帆を張っただけでは効率よく走らせられません。
ヨットを効率よく走らせるのに一番重要なのは風の向きと、風の強さです。
風の向きはメインマストのテッペンに付いている風見で見ます。
舵を切って船の進みたい方向を決めたら、風がどちらから吹いているのかチェックします。
それに応じて大まかに各セイルの角度を調整します。
そしてジブセイルには「テルテール」という毛糸などの糸が風上側と風下側に付けられています。テルテールが表も裏も平行に流れるようにジブセイルを微調整します。
メインセイルのリーチ(後ろ側の縁)にもリボンが取り付けられているので、そのリボンが綺麗に同じ方向に流れるように帆を微調整します。
このように、帆の調整をする事をトリムといいます。
ブームやジブセイルは進みたい方向と風が吹いてくる方向の中間に合わせるのが基本です。
センターボード
ヨットの大きな特徴の一つはセンターボードです。モーターボートなどには付いていません。
センターボードは文字通り船の中心部に海中に向かって伸びている板です。
センターボードは船の左右の安定性を確保したり、クローズ(風上航)で走っている時に活躍します。
逆に風下航の時はあまり必要でないので、半分くらい海中から上げてしまいます(その方がスピードが出るので)。
千葉障害者セーリング協会で使用しているマーチン16はセンターボードを操船中に上げ下げする事はありません。またセンターボードの先端に重りが付いているので復元力が強力です。
ベアリングアウェイ
ブローが吹いたりした時に風下に舵を切って対応する事をベアリングアウェイ、もしくは省略してベアするといいます。
主にスピンを張って走っている時は、ブローが吹くとスピンが潰れるので、それを嫌ってベアします。
ベアした場合、当然針路が変わりますので、後に必ず針路を戻す必要があります。
ヘルム
舵は真ん中なのに船が風上側、もしくは風下側に変針してしまう現象をヘルムと言います。
様々な要因がありますが、分かりやすいところでメインセイルとジブセイルのトリムが合っていない場合に起こります。
クルーの乗艇位置やマストのセッティングなどでも起こりやすくなります。
CE(センター オブ エフォート)
帆に生まれる揚力の物理的な合力のポイントです。力学上CEに揚力が発生すると考える事ができます。
帆が二つある場合、メインセイルにCEが1つ生まれます。同様にジブセイルにもCEが1つ生まれます。これらの2点の合力のポイントが船全体のCEで、船の力の発生ポイントです。
メインセイルのCEの方が大きいと船は風上側に動こうとします。ジブセイルのCEの方が大きいと船は風下側に動こうとします。
CLR(センター オブ ラテラル レジスタンス)
船の水中部分の抵抗中心です。原理的にはこの部分を舷側から押すと、船は水平に移動します。CLRとCEのバランスが崩れるとヘルムが発生します。
CLRは帆やマストなどのセッティング、クルーの乗艇位置など様々な要因で変化します。
これらのバランスも船をまっすぐ走らせるのには重要です。
喫水(きっすい)
船を水に浮かべた時に、水中に浸かっている船体の深さを喫水と言います。ここまでが最大の喫水である事を示すために船体に線を引いておいたりペイントを色分けしたりしている事があり、この境界線を喫水線といいます。一般的には喫水線より船が沈んでいると危険です。
ポンツーン
様々な意味がありますが、ここでは浮き桟橋の事です。浮き桟橋は潮の満ち干きに対応して上下し、船の係留に負担がないようになっています。
機走
帆で走る事を帆走(はんそう)。エンジンなどで走る事を機走(きそう)と言います。
自由度の高い機走船は帆走船の進行を妨げては行けません(回避義務)。
逆帆
何らかの理由で、本来受ける側とは違う反対側から風を帆に受けている状態。帆が裏を打つ、裏風が入るとも言います。
多くの場合クルーのミスで逆帆の状態になってしまいますが、海上のその場で止まっていたい時にティラーを風上に向けてセイルを逆帆にするなどして対応したり、接岸する際にスピードを出しすぎて桟橋にぶつかりそうだという時に、ワザと逆帆にしてブレーキをかけるなどします。
クリート
桟橋や船の上などにある固定された器具で、何かを固定するのに使います。
例えば、船を一時的に桟橋に係留する際は、船のバウシートやスターンシートを桟橋のクリートに結んでおきます。
また、この時「クリート結び」を行うと便利で素早く結ぶ事ができます。
クルー
一般乗組員。操船を担当します。二人乗りの場合、ジブセイルのトリムやスピンネイカーの準備、トリム、回収などを行います。
側舷の名称
船は左側を「ポート」右側を「スターボード」といいます。左側を「ポートサイド(左舷)」右側を「スターボードサイド(右舷)」と言います。
バウ
船首部分。船の前の方をバウといいます。
真の風と見せかけの風
ヨットは風を受けて走るのでどの方向から風が吹いてくるのかを見極めるのが大事です。
しかし止まっている時は風見を見て風の吹いてくる方向を確認できますが、いざ船が動き出すと、船が動いた分だけ風の吹いてくる方向が変わってしまいます。
実際に吹いている風を真の風(トゥルーウィンドウ)といいます。これとは別に動いている時に風見が指す風を見せかけの風と呼びます。
レースなどのシビアな操船を要求されるのであれば、トゥルーウィンドウを捕まえる必要があるでしょうが、普通は見せかけの風で十分楽しめます。
水線長
喫水線の前後の長さ。
同じ推力の場合、水線長が長いと速度が出ます。ディンギーなどの小型ヨットでは水線長が長くなるように乗艇位置を変えながら乗ります。例えば微風ではなるべく船の前の方に座るようにします。
ティラーとティラーエクステンション
舵(ラダー)に取り付けられた棒をティラーといいます。ティラーを引くと風下側に船が向きます。ティラーを押すと風上側に船が向きます。
ティラーに接続し操作範囲を伸ばしたものをティラーエクステンションと呼びます。
スキッパー
艇長の事です。船の決定権を持ちクルーに指示を出します。メインセイルのトリムと舵を担当します。
ブランケット
何かの建造物の陰になり風が弱くなる、もしくは無風になっている範囲をブランケットといいます。
レースなどで船が接近している時は、ワザとライバル艇の風上に入り、自分のセイルでブランケットを作ってライバル艇を落とす事もあります。
ヘルムスマン
操舵手。舵を操作する乗組員です。二人乗りの場合スキッパーの艇長が担当します。
デッドランニング
船は後ろから風を受けている時はそこそこの速度を出す事ができます。
しかし真後ろに近い所から風を受けると逆に速度が少し遅くなります。
この速度が落ちている状態のランニングをデッドランニングといいます。
風の強さ、セイルの枚数や種類など様々な要因で変わりますが、デッドランニングでスピードが遅くなるのを嫌って、目的地がそちらにあってもわざとデッドランニングの状態から抜けて走る事もあります。
スターン
船尾。後ろ側の部分をスターンと呼びます。
走錨
なんらかの理由で錨の抵抗力がなくなり、錨を打っているのに船が動いてしまう状態。コントロールができない分非常に危険で、他の船にも迷惑をかけてしまう可能性のある状態です。
ブロー
唐突に向き、強さが変わる風。
クローズで走っている時は、針路を変えたくないのでブームの出し入れで対応します。
アビームなどでスピンを出して走っている時はブローに対応して舵を切ります。
強いブローが吹くと意図せず船が傾いたり、船の策具などに急激なテンションが掛かって危険ですが、ブローはあらかじめ読めるものではないので、落ち着いて対応しましょう。
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